コスメの知識シリーズ続きます。
前回のお話はこちら
今回は、科学化粧品・無添加化粧品・オーガニック化粧品の違いについてです。
科学化粧品・無添加化粧品・オーガニック化粧品の成分から見た違い
科学化粧品・無添加化粧品・オーガニック化粧品と、わかりやすく3つに分けて考えてみます。
この3つを成分の違いで分けてみるとこうなります。
無添加化粧品
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オーガニック化粧品
点線の上は、石油由来成分を使った化粧品。
点線の下は、石油由来成分禁止・オーガニック植物原料50~95%以上配合
「化粧品」とひとくくりで売られているものも、成分で見るとかなり違いがあります。
ただ、現在の日本での一般的なコスメ(市販されているもの・リアル店舗にあるもの)は石油由来のものが大半です。
科学化粧品・無添加化粧品は、成分的には、前回の話でも出てきた医薬品と医薬部外品と仲間です。
原材料が石油を主原料とする7000種類超の化学合成成分から成り立っています。
無添加化粧品というのは、アレルギーが発症する可能性のある成分を配合していませんよ、という意味で「無添加」と謳っています。石油由来成分が無添加なわけではありません。
以前は、化粧品は成分をすべて公表しなくてもよかったため、無添加であることがメリットのように謳われていることが多かったけれど、現在は全成分表示が義務付けられているので、配合成分一覧を見ればわかると言えばわかる。
とはいえ、すべての成分を消費者が理解するのは難しいので、まだまだ「無添加化粧品」と謳っているコスメは多いですよね。「無添加」の意味を取り違えないようにすることが大事かな、と思います。
オーガニック化粧品は実は古くからあるもの
最近日本では、オーガニック化粧品がブームなので、「新しいもの」と捉えられがちですが、実は、日本にも古来からあった考え方です。
現在ブームになっているオーガニック化粧品は焼く100年前にヨーロッパで生まれた健康志向、環境保護の流れから来るものが輸入されている傾向。
日本は第二次大戦後に化学製品へ傾倒していったために、古来の処方が失われてしまったそうです。
オーガニックコスメを作れる工場もほとんどなくなってしまいました。
日本にはオーガニックコスメの認証基準などもなく、1滴でもオーガニック成分が入っていればオーガニック化粧品と呼んでしまっています。
しかし、2007年、初めて国際的な認証基準を満たしたオーガニック化粧品が作られるようになりました。
国際的な認証団体に共通するオーガニック化粧品の定義
国際的な認証団体はいくつかあるのですが、共通する定義には次のようなことがあります。
2)動物由来成分の排除 ※ローヤルゼリーなど生きている動物からの抽出物は除く
3)植物原料のうち70~95%以上がオーガニック栽培植物であること
科学化粧品とオーガニック化粧品の成分比較
当ブログでも紹介しているHANAオーガニックさんが科学化粧品とオーガニック化粧品の成分比較についてわかりやすいイメージ図を公開されているのでお借りします。
科学化粧品では、有効成分以外の素材がほとんど石油由来成分で出来ています。
HANAオーガニックの場合、成分の多くを占める水分もローズウォーターだったり、防腐剤や乳化剤も天然植物の美容成分を使用しているとのこと。
石油由来による科学化粧品のメリット・デメリット
オーガニックコスメに傾倒している分、石油由来の科学化粧品が悪者のようにされているところがありますが、実はメリットもあります。
ワセリンやベビーオイルなどは石油由来成分100%ですが、赤ちゃんのようにアレルギーが何に反応するかわからない人に使うには、科学化粧品の方が異変が起きた時にわかりやすいのです。
逆に石油由来成分の科学化粧品のデメリットは、まだ使用され始めてから歴史が浅いため、長期に用いた場合、健康を害する可能性があること。
(私は個人的には、アトピー発症時に台所洗剤や石油由来成分のシャンプーなどで症状が悪化したので、石油由来成分の洗浄剤には気をつけていますが、すべてがNGなわけではないですし、肌への反応は個人差があるだろうと思います。)
科学化粧品・無添加化粧品・オーガニック化粧品の考え方から見た違い
またまたHANAオーガニックさんからお借りしたイメージ図での解説になります。
以前もこの図で説明したような気がしますが、再度。
そもそも科学化粧品・無添加化粧品とオーガニック化粧品は、考え方が異なります。
科学化粧品や無添加化粧品というのは、「症状をその場で抑える」という対症療法的なもの。炎症を抑えたり、熱を抑えることに優れています。ただ、強い成分のものを長期で多用すると、体内の酸化、自律神経の乱れ、常在菌の乱れなどを招き、免疫力や再生力が衰えてしまうこともあります。
科学化粧品・無添加化粧品は、即効性を求める、今すぐ何とかしたい、集中的にケアしたいときには向いているコスメと言えます。
対して、オーガニック化粧品は、体そのものの根本的なケアをしましょう、という考え方から作られています。体のバランスを崩したことによる症状に対して、バランスを整えて立て直していく療法です。
肌への働きは緩やかなものの長期で使うことによってそのメリットが現れてくる、と考えておくといいでしょう。
オーガニックコスメは肌本来の力を取り戻したい、肌そのものを健康に美しくしていきたいという場合に向いているコスメです。
どっちを使えばいいの?
ということではなく、
という選び方が実は正しいのかも。
化粧品を選ぶ時に気をつけたいこと
一つ注意しておきたいのは、【コスメの知識】医薬品・医薬部外品・化粧品って何が違うの?でもお話したとおり、化粧品は国の認可を受けていないため、配合成分が企業に任されています。効き目・即効性を求めて高配合のものを長期で使った場合には健康被害もありうるということを、私たち消費者は知っておく必要があります。
多くの化粧品が登場し、選択肢がこれまで以上に増えました。
自分の肌にとって、今、何が必要なのか、
自分の肌をどのように美しくしていきたいのか、
消費者一人ひとりが真剣に考えて、化粧品選びをしていく時代がやってきたと言えるのではないでしょうか。
※当サイト内の感想はあくまで私の個人的なものです。化粧品・健康食品の体感には個人差がありますので、必ずパッチテストをしてから使ってくださいね 何かあったらすぐお医者さんへ!